わかめのお話し2 ◆ わかめの一生 ◆ 

● わかめは日本近海の特産種

 わかめは日本の沿岸ならほとんどどこにでもある、日本近海の特産海藻です。 日本以外では朝鮮半島南岸に生育しています。

 主な産地は、北海道南部、青森、岩手、宮城、神奈川、新潟、石川、三重、 和歌山、兵庫、徳島、島根、山口、福岡、大分、長崎など数え上げるとキリ がないほどです。 逆に取れない地域を探したほうが早いくらいで、日本人にはもっとも身近な海藻なのです。

 褐藻類の仲間であるわかめは、深さ3〜10メートルほどの、やや深い海の中の岩の上に付着して生育しています。 わかめは一年生の植物ですが、その長さは1〜2メートルほどになります。

● わかめの一生

 五月から六月にかけて、海水の温度はだんだん暖かくなってきます。 すると、ワカメの生長点芽かぶ(わかめの生殖体です、わかめの根のあたり (ヒダヒダ状のところ)にある胞子がはじけて海中に飛び散ります。 同時にわかめの本体は先のほうから枯れてゆきます。

 夏、さらに水温が上がると、胞子の放出はさらにさかんになります。 その数数億という胞子です。

 真夏、わかめは休眠します。
 わかめは暑さに弱く、この時期、暑さを乗り切るため、休眠するのです。 しかし、暑さに耐え切れず死滅する胞子もたくさんあります。

 秋、受精の季節です。受精卵はさかんに細胞分裂をおこない、生長を続けて小さなわかめが誕生します。

 冬から春、わかめが生長する季節です。 わかめはどんどん大きくなり、やがて次の世代をつくる芽かぶもできてきます。

 そして、五月頃、わかめの採取は最盛期を迎えます。

● わかめの旬は春

 わかめを採取する時期は大体2月頃から始まり、五月頃最盛期を迎えます。 寒中に生えてくる新芽を生で食べるのが、もっとももおいしいといわれています。
 
 わかめの旬といえば、寒から採取の最盛期までをいいます。

 わかめは採取してそのままにしておくと、わかめ自身の酵素が働いて、自分で自分を消化してしまい、ベトベトになってしまいます。 そこで一年中わかめを食べるための保存法として、昔からいろいろな方法が考えられてきました。

 加工方法は大きく、乾燥わかめと塩蔵わかめに分けられます。

 乾燥わかめには、素干しわかめ、灰干しわかめ、板わかめ、塩蔵わかめには、塩蔵わかめ、湯通し塩蔵わかめなどがあります。

わかめ製品のいろいろ ≪乾燥ワカメ≫

▽素干しわかめ

 古代から伝わる最も古い加工法です。
収穫したわかめをそのまま、または水で洗って天日で乾燥させます。
使うときは水で戻します。
塩蔵わかめが主流になって、従来主流だった素干しわかめは、今はほとんど見られません。
 
▽灰干しわかめ

 江戸時代の終わり頃、四国は鳴戸で編み出された加工法です。
収穫した生わかめに灰をまぶし、天日乾燥させます。
そして貯蔵し、灰を洗い落として再度乾燥させます。
灰に含まれているアルカリによって、わかめに含まれているクロロフィルは安定し、鮮やかな緑色になるととともに保存性も良くなります。

▽板わかめ

とくに日本海沿岸で作られます。
収穫したわかめは水で洗い、スノコやムシロの上に一枚づつ並べて天日乾燥します。できあがるとちょうど、うすい板のようになります。

火であぶったり、そのままもんで細かくして食べます。
他の乾燥わかめに比べ、ミネラル、ビタミンが最も多く、特にカロチンはにんじんやほうれん草よりかなり多く含まれます。

▽湯抜きわかめ

 生わかめを熱湯で湯通しして冷水に取り、乾燥させた物です。

▽カットわかめ

 昭和50年頃開発されました。 湯通し塩蔵わかめを水で洗って塩を抜き、一口大に細かく切って熱風で乾燥させます。

 戻したり切ったりしなくて良い手軽さと、衛生的なことから現在は乾燥わかめの主流となっています。

わかめ製品のいろいろ  ≪生ワカメ≫

▼ 塩蔵わかめ
 
収穫したばかりの生わかめをたっぷりの塩で漬けこみ、軽く重石をして水抜きをします。
それからさらに塩をまぶします。
生の味と香りをいかしたまま保存でき、乾燥わかめより柔らかいのが特徴で、水で塩抜きをしてから使います。 かなり古くから行われていた保存法で、湯通し塩蔵わかめの方法が開発されるまで一般的な保存法でした。

▼ 湯通し塩蔵わかめ

塩蔵わかめより色があざやかで、昭和40年代に開発されて以来、現在までもっともポピュラーなわかめとなっています。
収穫したわかめを85度ぐらいの海水または食塩水でボイルし、冷ましたあと水切りをして、塩漬けしたものです。

 手軽にすぐ使える便利さと、一度に大量に生産できる点から湯通し塩蔵わかめの消費は急増しています。


ちょっと変わったわかめ製品

▼ 茎わかめ

乾燥わかめも塩蔵わかめも、使う部分は葉のところです。 茎わかめは加工するとき取り除かれる中筋や茎のところをカットして、塩蔵にしたものです。 炒め物や、つくだ煮などになかなか重宝します。

▼ 芽かぶ

わかめの茎の下のひだひだ状のところが、芽かぶです。
黒褐色でかたいので以前は見向きもされませんでしたが、わかめの生長点ですので、近年、食物繊維のアルギン酸やフコイダン、ミネラル、ビタミンが多量に含まれていることが分かり、俄然注目されました。 細かくカットした物を流通商品名『めひび』といい、当店でも販売しています。

▼子持ちわかめ

わかめの葉に、魚が卵を産みつけたもので、わかめの卵ではありません。
現在はトビウオの卵などを人工的につけて売られています。